「君の名は。」を見てきた。
個人的には今までの新海作品の中で一番好み。
あいかわらず映像はキレイだし、東京の町並みは本物そっくりだった。
以下、ネタバレします。
核心となる設定
心と体が誰かと入れ替わるっていうのはよくある設定で、タイムリープするのもまたよくある設定なんだけど、それらが合わさってくるかあ、と。
前者の設定はテレビCMやあらすじなどで明記されていたけれど、後者の設定は隠されていたので、ラーメン屋のシーンでハッとさせられた。
入れ替わりものに総じて言えることだけども話がコミカルで、前半は楽しく見ていられた。神木くんの女っぽい声色好きだったなあ。反面、三葉に瀧くんが入った時は、言葉遣い以外の違いがあんまり感じられなかったかも。
切ないポイント
この映画、泣ける場面は多々あるけれど、個人的に刺さったのは奥寺先輩と司が旅館で話してる場面。
奥寺先輩が、「最近の(三葉が入ってる時の)瀧くんが好きだった」って言ったとこ、先輩が瀧くん好きだったのは嬉しいけど、それは本当の瀧くんを見てくれてるわけじゃないんだよなあ、と瀧くんの不憫さに涙が出てしまった。
場面転換
もし突然他の人と人生が入れ替わったりしたら、何もわからずとても生活してられないはず。
ただ、ここをあんまりリアルに描きすぎてしまうと話が進まないのでアニメ特有の省略が効かせてある。
(一番混乱があったであろう)入れ替わり一日目の様子は、双方とも「昨日は○○だったね」という友人からの説明で済まされて、面倒な説明はなし。
他にも予告無しに場面(劇中時間)のジャンプがたくさん使われてて、後からなるほどと思うケースも多い。なんとか話にはついていけるからセーフかな。
こういうやり方、なんともアニメらしくて好き。
時空のズレ
結局、彼らが入れ替わってた世界は3年ズレていたということなのだけど、なぜ彼らは互いが住んでいる時間が違うことに気づかなかったのか、という意見は面白いなあと思った。確かに、生活に慣れて状況を把握していくうちに気づくだろ!と思わなくもない。
夢が覚めると忘れる、という性質のせいにして片付けていい…のかな?
すきだ
映画が終わったあと後ろの女性二人組が、瀧くんが三葉の手に「すきだ」と書いたのはしらけるよねーと言っててなるほど、と。自分はとてもロマンチックだなあと思ったけども、確かにそうか。
ここは「君の名」が後で分からなくなるために必要な演出ではあるので、あれがベストなやり方だったんじゃないかなあと。
ちなみに、その次に三葉が瀧くんの手に名前を書こうとしてペンが落ちる描写はかなり好き。音楽がバチッと消えて「片割れ時」が終わったんだとハッとさせられた。
ユキちゃん先生
パンフ読むまで気づかなかったけど、古典を教えていたユキちゃん先生は「言の葉の庭」に出てきていた教師と同一人物らしい。
言の葉の庭も好きな作品だったのだけど、こんなところでリンクしていたとは。
とりあえず今思いついたのはこれくらい。
もうちょっと反芻して味わいたいな。